概要
誰もがご存知シェイクスピアによる作品。「夏の夜の夢」は比較的初期に書かれた喜劇。「あらし (テンペスト) 」は晩年に書かれたロマンス劇。
「夏の夜の夢」はアセンズ (アテネ) を舞台に、妖精の王オーベロンと妖精の女王タイターニアとの間の夫婦喧嘩に巻き込まれた何組かの男女の物語。妖精王の命を受けた妖精パックが惚れ薬を使う相手を間違えたことで事態が混迷していく、幻想的でハチャメチャな恋愛喜劇。
「あらし」は孤島を舞台に、弟の裏切りにより追放されたミラノ王プロスペローが魔法の力で弟たちの乗った船を難破させ、島へ漂流させるところから始まるロマンス劇。シェイクスピア晩年の作品で、多くの喜劇・史劇・悲劇を書き上げたシェイクスピアの集大成にふさわしいロマンス劇。
感想のまとめ
「夏の夜の夢」は妖精が歌い踊るシーンが幻想的で、気づけば大団円を迎えているというまるで狐につままれているかのような作品。
「あらし」はまさにシェイクスピアの集大成。四大悲劇を読んでから読んでほしい作品。幻想的で、情熱的な愛があり、裏切りや疑心があり、言葉の掛け合いも小気味よい。結末の美しさは必見で、多くの喜劇・史劇・悲劇を経たシェイクスピアがこの結末を書いた事実がとても好きになる。
以下ネタバレ注意 “夏の夜の夢・あらし/シェイクスピア
/福田恆存 訳/新潮文庫
―世界の美しさに感動する作品―” の続きを読む