ピガール狂騒曲/WELCOME TO TAKARAZUKA 感想
―匠の技によるドタバタ喜劇―

概要


WELCOME TO TAKARAZUKAは和物レビューで、坂東玉三郎さんが監修。クラシック曲に合わせた舞踊が特徴。
ピガール狂想曲は原田諒先生作・演出。シェイクスピア喜劇の「十二夜」をモチーフに、舞台を1900年のパリ・ピガールに移した作品。十二夜がモチーフなので、主演の珠城りょうさんは男女2役を演じる作品。

感想のまとめ


WELCOME TO TAKARAZUKAは華やかで身のこなしの美しさが素敵なレビュー。何度も繰り返されて覚えやすい主題歌と松本さんのシーンが特に印象的。
ピガール狂騒曲はシェイクスピア作品らしいドタバタ喜劇で、テンポの良い掛け合いと小芝居が楽しい作品。珠城さんが歩き方や仕草までガラッと変えて、一人二役を演じ分ける姿が印象的。暁さんを中心としたダイナミックなダンスも見どころ。


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チェ・ゲバラ (月組) 感想
―力強さと完成度の高さが素晴らしい―

概要


キューバ革命の立役者であるエルネスト・ゲバラ、通称チェ・ゲバラの半生を描いた作品。作・演出は原田諒先生で、ゲバラの半生をキューバ革命、フィデル・カストロとの友情などと織り交ぜて描かれた作品。事前知識がなくても理解できるように、丁寧に脚本が描かれている作品。

感想のまとめ


脚本・演出・演技のすべてが凄くて、完成度は今年見た中で一番。ゲバラの理想や信念を描いた泥臭さと重厚さ、そして力強さを描いた脚本、随所で思わず唸りたくなる印象的な演出、ゲバラとフィデルという二人のカリスマに代表される雰囲気の作り込み、ひと目で練度がわかる銃さばきまで素晴らしい演技、そして革命の力強さが表れている歌声で、どこを見ても素晴らしい。
誰もが素晴らしい演技だった中でも、圧倒的なカリスマ性と演技力で作品に重みを持たせるゲバラを演じた轟さん、そのゲバラと対等に並び立つフィデルを演じた風間さん、影の主役とも言えるルイスを軍人らしく、セリフのないシーンでも僅かな仕草で演じた礼華さんが特に印象的。

観劇日


2019/8/13 (梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ)
宝塚大劇場、バウホールに続いて、初めての梅田芸術劇場公演も轟さんが主演。

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夢現無双 / クルンテープ (月組) 感想
―武蔵と小次郎の対比が美しい―

概要


原作は吉川英治の小説。脚本・演出は齋藤吉正先生。
夢現無双は天下無双としてその名を轟かせた宮本武蔵の半生を描いた物語。宮本武蔵と彼を慕うお通、宮本武蔵と長馴染みの青年である又八、天下無双として知られる佐々木小次郎を中心に描かれた物語。
クルンテープはタイをテーマに演じられたエキゾチックなショー。

感想のまとめ


  • 夢現無双
    武蔵の成長や各登場人物の生き様と成長を見ていく作品。人を選ぶ脚本ではあると思う。雄々しくも荒々しい武蔵が成長していく様や、優雅で華麗な小次郎、武芸から遠ざかる又八の生き方の対比がとても素敵。殺陣のシーンは格好良いし、武蔵と小次郎で違った個性があるのが見どころ。人との出会いで成長して印象すら変化していく武蔵を演じる珠城さん、優雅で華麗な小次郎を演じる美弥さん、気品と艶やかさと掴みどころのなさでまさに太夫という海乃さんが一押し。

  • クルンテープ
    キラキラしてエキゾチックな熱量溢れるショー。まさに宝塚の男役と思わせる歌・踊り・燕尾姿の全てが美しい美弥さん、珠城さんと美弥さんの美しいダンスシーン、緑と白の衣装で歌う女性 (輝月さん?) の低音から高音まで歌い上げる素敵な歌、ダイナミックと美しさを兼ね備えたデュエダンが特に見どころ。

観劇日


2019/4/6 (宝塚大劇場)
記念すべき月組初観劇。カンパニーのブルーレイで気になっていた美弥るりかさんの退団公演。最初で最後の美弥るりかさんを見るチャンスと思い観劇。

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