悪魔城ドラキュラ / 愛, Love Revue! ―変化球も王道も楽しめる―

感想のまとめ

悪魔城ドラキュラはビジュアルの素晴らしさが印象的。原作要素を盛り込んだ感が伝わってきて、ギミック攻略感を出している戦闘シーンも面白かった。原作要素を盛りすぎたのか若干詰め込み気味で,どことなくヒーローショーを思い出す作品かもしれない。
愛, Love Revue! は王道レビューで、中盤以降はどこを切っても名シーン。テーマ曲もキャッチーかつ耳に残り、劇場帰りには思わず口遊みたくなる。控えめな演出で上品なショーがよく似合っていて、ダンスの見せ方が特に素晴らしいショーだった。

以下ネタバレ注意

“悪魔城ドラキュラ / 愛, Love Revue! ―変化球も王道も楽しめる―” の続きを読む

阿修羅城の瞳/エスペラント! ―一時代の集大成―

感想のまとめ

阿修羅城の瞳は要素盛りだくさんな和風ファンタジー。
落語や歌舞伎、派手な大立ち回りなど、普段見ない要素が多い。
様々な作品を演じてきた礼さん率いる星組の集大成に相応しい作品。
エスペラント! は退団公演に特化した作品。
礼さんとメンバーとの場面を見ながら、思い出に浸れる作品。
極美さんや小桜さんなど、組替えの人にも温かい作品。

以下ネタバレ注意

“阿修羅城の瞳/エスペラント! ―一時代の集大成―” の続きを読む

エンジェリックライ/Jubilee―綺麗にまとまったお披露目―

概要

エンジェリックライは谷貴矢先生による作・演出の作品。ソロモンの指輪を巡って、能力と嘘を封じられた天使アザゼル、トレジャーハンターのエレナ、大富豪のフェデリコ、悪魔のフラウロスが織りなす物語。
Jubileeは稲葉太地先生による作・演出の作品。周年記念などの祝祭を意味する名を冠する、新トップコンビお披露目のショー作品。

感想のまとめ

エンジェリックライは奇抜な設定を綺麗にまとめた作品。
天使という設定の扱い方は人を選ぶかもしれない。
永久輝さんは盤石の実力ぶりで、変化球だが無邪気な役柄のフレッシュさが素敵だった。星空さんは歌や滑舌が素晴らしかった。凪七さんや綺城さんは当て書きに対して見事な演じぶりで、聖乃さんの色気漂う悪役ぶりも素晴らしかった。
Jubileeは正統派で華やかなショーで、クラシック曲の上品さが特別感を演出していた。男役群舞のシーンが特に素晴らしく、まさに永久輝さんのトップで観たかったショー作品。

以下ネタバレ

“エンジェリックライ/Jubilee―綺麗にまとまったお披露目―” の続きを読む

FORMOSA!!―役柄がとても合った作品―

概要

FORMOSA!!-空想世界の歩き方-は熊倉飛鳥先生の作・演出による作品。
18世紀のイギリスで自らを台湾人と偽り、台湾についての偽書を著したジョルジュ・サルマナザールをモチーフとした作品。本作では台湾ではなく、架空の国フォルモサが登場する。

感想のまとめ

テーマの割に暗すぎない作風で、爽やかな余韻が残る作品。
抜群の華を活かした縣さんのサルマナザール、役柄にピタリと合わせてくる音彩さん、強烈な圧で胡散臭さと狂気を押し出した華世さんのイネス、歌唱シーンがとにかく素晴らしい久城さんのオズワルド、説得力のある役作りが素晴らしかった叶さん、咲城さん、蒼波さんなどが特に印象的だった。

以下ネタバレ注意

“FORMOSA!!―役柄がとても合った作品―” の続きを読む

ベルサイユのばら (2024年フェルゼン編) ―有終の美を飾るフィナーレ―

概要

ベルサイユのばらは池田理代子先生による漫画を舞台化した作品で、脚本は植田紳爾先生、演出は植田先生と谷正純先生。
原作はフランス革命を描いた群像劇で、少女漫画界の金字塔ともいえる作品。宝塚による舞台化から50周年を迎え、本作はスウェーデン貴族のフェルゼンを主役として描かれている。

感想のまとめ

宝塚のイメージをそのまま実現したような公演で、歌舞伎のような型芝居が特徴的。
彩風さんの退団公演に合わせたフィナーレは、圧巻の仕様。
見せ場がビシッと決まるクラシカルな演じ方や表情や手の動きで語る辛抱役ぶり、最後の最後まで伸びやかで美しいダンスで有終の美を飾った彩風さんのフェルゼン、王妃に見せる表情と見せない表情との使い分けで王妃への愛と国王の苦悩を演じ分けた奏乃さんのルイ16世、真っ直ぐな演じ方が革命に燃える姿に重なる華世さんのベルナールが特にお気に入り。

以下ネタバレ注意

“ベルサイユのばら (2024年フェルゼン編) ―有終の美を飾るフィナーレ―” の続きを読む