概要
FORMOSA!!－空想世界の歩き方－は熊倉飛鳥先生の作・演出による作品。
18世紀のイギリスで自らを台湾人と偽り、台湾についての偽書を著したジョルジュ・サルマナザールをモチーフとした作品。本作では台湾ではなく、架空の国フォルモサが登場する。
感想のまとめ
テーマの割に暗すぎない作風で、爽やかな余韻が残る作品。
抜群の華を活かした縣さんのサルマナザール、役柄にピタリと合わせてくる音彩さん、強烈な圧で胡散臭さと狂気を押し出した華世さんのイネス、歌唱シーンがとにかく素晴らしい久城さんのオズワルド、説得力のある役作りが素晴らしかった叶さん、咲城さん、蒼波さんなどが特に印象的だった。
以下ネタバレ注意
感想
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- テンポの良さと爽やかな余韻が残る脚本
詐欺師の苦悩がテーマだが、暗すぎない作風で気軽に楽しめる。
悲劇にならない着地点と、最後の晴れ晴れとした終わり方が印象的。
物語もサクサク進むので、テンポが良いのも好印象。 - 勢い重視すぎる脚本
テンポと勢いで誤魔化しているが、随所に粗は感じた。
ヒロインやの空想の革命家たちを持て余していた感じが少し残念。
随所の説得力も演技力頼みだが、メンバーが見事にカバーしていた。 - 華が際立っている縣さん
縣さんの主演作品は初視聴だが、真ん中がとても似合っていた。
一際映える縣さんの華やかさが、異風な雰囲気に調和していた。
悩むシーンも絵になる男役ぶりで、決断するときの表情も印象的。
最後の晴れ晴れとした表情が一番素敵なのも良かった。 - 役柄に合わせて変幻自在の音彩さん
音彩さんは本作でも素晴らしかった。
前回公演から打って変わった役柄にもぴったり合わせている。
出番が少ないが、歌もダンスもピカイチ。
特に縣さんとのデュエットダンスが綺麗で印象的。 - 新境地の華世さん
華世さんはイネスで今までと異なる役柄を見事に演じていた。
非常に圧の強いキャラで胡散臭さと狂気が際立っていて素敵だった。
歌でもダンスでも場面を作れて抜群の安定感だった。 - 歌が素晴らしい久城さん
久城さんは歌唱シーンが特に素晴らしかった。
サルマナザールが心を開くのも納得の、柔らかく優しい歌が最高。
若者を教え導いていく年長者らしい落ち着きぶりも素敵だった。 - 役作りが巧みな叶さん
叶さんは役柄の見せ方が巧みだった。
華世さんとのシーンでの立場の違いを感じさせる雰囲気が印象的。 - 随所で印象的な咲城さん
咲城さんは革命家らしい姿が随所で印象的だった。
冒頭の腹に一物を抱えていそうな雰囲気からの革命シーンが印象的。
一癖ある役柄をいつも説得力たっぷりで作り込むのが素敵。 - 説得力が光る蒼波さん
蒼波さんは終盤での見せ方がとても素晴らしかった。
追求の詰めが甘く、問い詰め方にも違和感があったがそこが巧み。
すべて仕込みとなれば、ハレーの人柄ならと納得の演技だった。