忠臣蔵 感想
―宝塚が誇る日本物の極致―

概要


忠臣蔵は柴田侑宏先生の脚本による作品。赤穂浪士の討ち入りをテーマにした作品で、当時の雪組トップスターである杜けあきさんの退団作品であり、旧東京宝塚劇場の最終公演。この公演以降一度も再演されていない作品でもある。

感想のまとめ


まるで時代劇を観ているような重厚感と宝塚らしい華やかさが調和した作品。時代背景を丁寧にまとめつつロマンスまで盛り込んだ脚本、見惚れるような美しい所作や台詞回し、伸びやかで力強い圧倒的な歌唱力とどこを見ても完璧。演技力も凄まじく、どのシーンも夢中になるほどに素晴らしい。
内蔵助を演じた杜さんの時代劇を飛び出したようなお侍様ぶり、浅野内匠頭を演じた一路さんの気品ある姿と鬼気迫る姿のギャップ、お蘭を演じた紫さんの表情の移り変わり、吉良を演じた星原さんの憎々しさが光る演技が特に印象的。

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エリザベート (96年雪組) 感想
―歌・演技・脚本の全てが凄い傑作―

概要


オーストリアで上演されていたミュージカルで、潤色・演出は小池修一郎先生。オーストリア・ハプスブルグ家の皇后になるエリザベートと、死の象徴でもある黄泉の帝王トートが織りなす愛と死を描いた作品。

感想のまとめ


脚本・演出・演技・歌のすべてが凄まじい作品。歌はこれまで見た中で一番凄いかもしれない。トートの一路さんを始めとしてどの人も凄まじく歌が上手で、「闇が広がる」が一番のお気に入り。
冷たく無機質で、人の傍らにあり続ける死を象徴するトートがとても素敵で、まさに死そのものというトート像があってこその作品だと思う。
どの人も凄まじいけれど、冷たく無機質な死を象徴するトートを演じた一路さん、オーストリア皇帝として年月を重ねていくフランツを演じた高嶺さん、鏡の間で凄まじい美しさを見せるエリザベートを演じた花總さん、ひと目見てヤバいと感じるルキーニを演じた轟さんが特に印象的。

視聴日


2019/9/23 (Blu-ray)

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