概要
HiGH&LOW シリーズはドラマ・映画・漫画・舞台など多方面に展開しているエンターテインメントプロジェクト。本作は2024年に公開された「HiGH&LOW THE 戦国」のアナザーストーリーとして作られた舞台作品。
感想のまとめ
様々なバックグランドを持つキャストの強みを活かした、ストーリー仕立てのショー作品のように楽しめる作品。躍動感に溢れてパワフルな殺陣とアクロバットな斬られ役の職人芸が素晴らしかった。全員主役のキャッチコピー通り、キャスト全員に見せ場があり、各々の強みを活かしてくれる演出も素晴らしい。ファンサービスも豊富で、キャストのファン目線ではとてもありがたい公演だった。彩風さんは宝塚時代の経験を活かせる役柄で殺陣のシーンがとても格好良く、男役ではなく女海賊の頭領としての見せ方が素敵だった。
以下ネタバレ注意
感想
- ごちゃまぜ感を楽しむ作品
劇団や2.5次元や宝塚や声優と様々なバックグラウンドを持つキャストの強みを活かして、あえて調和させないことが強みの作品だった。シンプルなストーリーや関係性重視のキャラクターのおかげで、ストーリー仕立てのショー作品のように楽しむことができた。 - パワフルで躍動感に溢れる殺陣と職人芸が光る斬られ役
この作品での一番の見所は殺陣だと思った。飛び跳ねながら繰り広げられる殺陣は躍動感に溢れていて、動きも速くかなりの迫力だった。主要メンバーが二刀流、銃と刀の二刀流、一刀流と戦い方から違うところも個性的で良い演出。さらに斬られ役の方々が素晴らしく、殺陣のクオリティを跳ね上げていた。斬られる時に回転しながら吹っ飛ぶので、斬った側がとても格好良く見えた。特に彩音の拳銃に合わせてバク宙しながら吹っ飛ぶシーンが芸術的。 - 大技が光るアクロバット
斬られ役やダンスバトルなど、ダンスやアクロバットメンバーの見せ場が多い。バク宙でとても高く飛ぶのが印象的で、高さに余裕を持ったバク宙は必見。さらに随所で入る捻りまくりの大技も格好良くて素晴らしかった。 - 嘘偽りない全員主役
全員主役をキャッチコピーとする本作は、メンバー全員に見せ場がある。歌や殺陣、ダンスやラップにアクロバットとキャストの得意分野を活かしてくれるので、ファン目線ではありがたい。 - 盛りだくさんのファンサービス
客席からの登場やメタ的なアドリブなど、かなりファンサービスも豊富だった。公演の最後に賊祭りという、キャストが客席に登場して千社札を配ってくれるイベントまであった。ありがたいことに斑目一派に加入できた。 - 彩風さんの強みを活かした殺陣の演出
彩風さんの演じる彩音は女海賊の頭領で刀と銃の二刀流。この設定が絶妙で巧み。男性陣のパワフルな殺陣に混ざったときに、拳銃でテンポを調整できるので見劣りしない。しかも拳銃の反動を大きく見せる演技と、斬られ役の回転しながら吹っ飛ぶリアクションでアクションもド派手になっている。さらに後半はスローモーションを増やして綺麗な所作を活かしやすくするという完璧な演出。彩風さんが強みを発揮することがそのまま見せ場に繋がる、素晴らしい演出だった。 - 男役と女海賊の演じ方の違いが光る彩風さん
主役ポジションの一端を担う彩音を演じるのは彩風さん。豪胆な女海賊の頭領と書くと男役感満載に思えるが、男役とは違うところが彩風さんの見せ所。立ち振る舞いや座り方、桔梗や千愛を気遣うシーンに見える女性らしさが出ていて、どれだけ豪胆でもちゃんと女海賊だった。そういったところを自然に見せてくる、彩風さんらしい演じ方が素敵だった。所作の綺麗さを活かした殺陣、よく通る声で凛とした立ち振る舞い、安定感抜群で格好良く歌う姿も流石で、宝塚出身の強みを遺憾無く発揮していた。 - どんと中央に構える小野塚さん
主役ポジションの颯斗を演じるのは小野塚勇人さん。前作からの継続出演らしく、演技・殺陣・歌のどれも安定していて素敵だった。特に殺陣が素晴らしく、豪快な二刀流で蹴りも交えてダイナミックだった。 - よく通る声と演技が光る笹森さん
3人目の主役ポジションの笹玖を演じるのは笹森裕貴さん。よく通る声が印象的で、兄の松竹との別れのシーンがとても感動的だった。兄弟デュエットも綺麗に伸びる歌声で、本当に良い声をしている人だった。 - 随所で魅せる土井さん
吐澤檸檬を演じる土井ケイトさんが、要所でとても良い味を出していた。場面によって立ち位置が大きく変わるキャラクターだが、立ち位置が変わっても檸檬としてはとても自然で役の見せ方がとても素敵だった。歌もとても素敵で、演じて良し歌って良しで素晴らしかった。 - 書ききれないぐらい見せ場が光るメンバー
皆に見せ場があるので、良さを書ききれないほどだった。
弟思いで格好良い兄ぶりが光る斑目松竹役の八木将康さん。
アドリブ含めて盛り上げ上手な戒役のうえきやサトシさんと風見鳥拓ノ新役の川久保拓司さん。
随所で彩音に向ける感情の見せ方がさり気なくも丁寧な霧生楓役の山田健登さん。
兄のことが大好きな可愛らしい妹であり祈祷師としての誇りと信念は格好良くもある叢雲桔梗役の佐藤日向さん。
何役もこなしつつコミカルにも盛り上げ、殺陣はきっちり格好良いオールラウンダーの伊勢大貴さんと納谷健さん。
力強い殺陣と千愛への優しい表情が印象的な蜂谷風馬役の蒼木陣さん。
一人羽織のシーンが繊細で切なかった千愛役の夏川椎菜さん。
終盤の殺陣から最期までの見せ場でガッツリ心を掴んできた寿星桃太夫役の小澤竜心さんとガメ坊役の伊達暁さん。
世間を見返したかった男の哀れな末路を印象的に演じた沙羅狗役の伊藤正之さん。
ダンスや斬られ役やアクロバットで舞台を盛り上げているパフォーマーの方々と、やはり書ききれないほど見せ場の多い作品だった。
