めぐり会いは再び My only shinin’ star 感想 ―先の展開がわかっていても楽しい王道喜劇―

概要


めぐり会いは再び My only shinin` starは小柳奈穂子先生の脚本・演出による作品。フランスの劇作家マリヴォーの「愛と偶然との戯れ」をモチーフにした作品で、結婚相手のことを知るために、身分を偽って相手を観察しようとする男女を描いた喜劇作品

感想のまとめ


古典喜劇の王道を歩むので先の展開がわかっていても笑えるし、ロマンスで盛り上がる事ができる作品。柚希さんと夢咲さんの息の合ったラブシーンがとても素晴らしくて印象的。作品を自分の色に染め上げる、紅さんの劇薬ぶりを堪能できる。
お気に入りはカリスマぶりとラブシーンでのピカイチの格好良さが印象的な柚希さんのドラント、出てくる度に舞台が引き締まる英真さんのオランド伯爵、辛辣なセリフを絶妙な間のとり方と声のトーンで繰り出して笑いを取ってくる涼さんのマリオ。

以下ネタバレ注意

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ロミオとジュリエット (星組2021年版) 感想
―王道を征く正統派の役替わりA―

概要


原作は誰もが知っているシェイクスピアの恋愛悲劇。ジェラール・プレスギュルヴィックによるミュージカル作品を、小池修一郎先生が潤色・演出した公演で、宝塚では星組→雪組→星組→今回の星組と4回目の公演。
14世紀のイタリア・ヴェローナを舞台に、対立している家柄のモンタギュー家のロミオとキャピュレット家のジュリエットが恋に落ちるが、運命の悪戯によって悲劇となってしまう物語。原作から変更点もいくつかある公演。

感想のまとめ


若さと青春、そして愛にフォーカスされた王道を征く正統派の超大作。愛月さんのティボルトによって、若さの生み出すエネルギーと悲劇性が強調されている。ウェストサイド物語の雰囲気を少し逆輸入したようなイメージが近いかもしれない。
完成度の高い役作りも特長で、ティボルトを等身大の青年として演じた愛月さん、マーキューシオをやんちゃで直情型な幼馴染として演じた極美さんが秀逸。特にマーキューシオは、その人物像がすとんと腑に落ちる絶妙な役作りだった。そんな中で異彩を放つ天華さんによる死の大胆な役作りも光っていて強烈だった。

役替わりBの感想は別記事に記載。

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―王道を征く正統派の役替わりA―” の
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ロミオとジュリエット (星組2021年版) 感想
―「死」の存在感が強烈な役替わりB―


概要

原作は誰もが知っているシェイクスピアの恋愛悲劇。ジェラール・プレスギュルヴィックによるミュージカル作品を、小池修一郎先生が潤色・演出した公演で、宝塚では星組→雪組→星組→今回の星組と4回目の公演。
14世紀のイタリア・ヴェローナを舞台に、対立している家柄のモンタギュー家のロミオとキャピュレット家のジュリエットが恋に落ちるが、運命の悪戯によって悲劇となってしまう物語。原作から変更点もいくつかある公演。

感想のまとめ


礼さん・舞空さん体制の代表作になるであろう傑作。青春を謳歌するロミオたちと苦悩するティボルト、目まぐるしく表情を変えながら恋に生きていくジュリエットたちが見せる若さと悲劇がとても感動的。歌の上手なメンバーが多く揃っているので歌唱シーンも素晴らしく、特に礼さんの圧倒的な歌唱力で声色を変えながら歌う様が凄まじい。愛月さんが演じる「死」の圧倒的な存在感と冷たさも凄まじく、二番手が「死」を演じることの意義と素晴らしさを実感できる役替わりだった。

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―「死」の存在感が強烈な役替わりB―” の
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