壬生義士伝 / Music Revolution! 感想
涙枯れ果てるまで泣き、ショーで元気を貰う

概要


【壬生義士伝】
原作は浅田次郎の人気小説。脚本・演出は石田昌也先生。新選組をテーマにした小説の中でも屈指の人気作品。南部藩出身の吉村貫一郎の生き様を描いた作品で、彼の最期に涙した人も多いであろう名作。
【Music Revolution!】
クラシックからラテン、ジャズなど様々な音楽ともに歌い、そして踊るショー。

感想のまとめ


壬生義士伝で涙枯れるまで泣き、Music Revolution!で元気を貰う。感情を極限まで揺さぶられる素敵な公演。

  • 壬生義士伝
    序盤から終盤まで涙が止まらない演目で、序盤と終盤は完璧としか言えない完成度の高さ。「石を割って咲く桜」が流れるシーンは歌と音楽、演技と演出のすべてが完璧に噛み合った最高に美しいシーン。
    イチオシは家族を想い生きていく吉村を演じる望海さん、組頭として振る舞わなければならないが随所で精一杯の優しさを見せた大野を演じる彩風さん、鬼気迫る演技で小川を演じる久城さん。

  • Music Revolution!
    エネルギッシュに元気になれるショーで、壬生義士伝の後にうってつけ。いろいろな人が活躍していて、歌い継ぐシーンがとても良い。ダンスとても良く、彩風さんたちの軽やかで優雅で楽しそうなダンスシーンと、永久輝さんたちのキラキラと爽やかで激しいダンスシーンがとても良い。燕尾服で歌い継ぐシーンの、早口言葉なのに素敵なメロディーが奏でられていくシーンは必見。

観劇日


2019/06/29, 06/30 (宝塚大劇場)
宝塚観劇2年目での初作品も雪組・大劇場公演。

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アルジェの男 / ESTRELLAS 感想
―礼さんの歌とアンドレがイチオシ―

概要


作・柴田侑宏先生、演出・大野拓史先生の作品。舞台はフランスの植民地であったアルジェリアとパリ。パリで成功する夢を抱きながらも悪事で生計を立てている青年ジュリアンは、アルジェリア総督のボランジュの財布を盗もうとして失敗してしまう。しかしジュリアンはボランジュに見込まれ、彼の下で働くことになる。アルジェリアの貧困層からパリの社交界へ所在を変え、自分の夢を叶えるべく進んでいくジュリアンを中心とした物語。

感想のまとめ


【アルジェの男】

細やかな演技と礼さんの圧倒的な歌声が素敵な公演。低音な美声で響き渡る歌が素敵で、変化に富んだジュリアンを自然にそして格好良く演じた礼さん、本当に憎らしいジャックを演じた愛月さん、仕草で雄弁に語るアンドレを演じた極美さんが特に好き。一押しはアンドレが最後に登場するシーン、ジャックが最後に登場するシーン、そしてラストシーンでのジュリアン。極美さんのわずかな仕草から感情を観客に伝える演技、愛月さんのあまりにも自然すぎる凄まじい演技、礼さんの最後に一番魅力的になるジュリアンがとても印象的。

【ESTRELLAS】

星組のキレの良い激しいダンスと、礼さんのとてもクリアに響き渡る歌声が素敵。礼さんのファンサービスもとても印象的。客席降りだけではなく、舞台上でも二階席までよく視線をくれるし、二階席を見て手を振ってくれる。そんな礼さんにグッとくる素敵なショー。

観劇日


2019/5/9 (広島文化学園HBGホール)
人生初の全国ツアーでご当地ネタも初体験!
入場時の大行列も宝塚関連では初体験。

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―礼さんの歌とアンドレがイチオシ―” の
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CASANOVA 感想
―キラキラと美しい公演
コンデュルメル夫人がイチオシ―

概要


作・演出は生田大和先生による作品。ヴェネツィアを舞台に、希代のプレイボーイ・カサノヴァの半生を描いた作品。華やかで明るく、生き様がとても眩しい公演。

感想のまとめ


キラキラで華やかなひとときを楽しめる公演。人生には恋と冒険が必要だと言い、人生を謳歌していくカサノヴァと、野望にひた走るもうまく行かずに苛立ちを抱えていくコンデュルメル、夫の愛を求めているのに素直になれずに苦しむコンデュルメル夫人と色々な人生を見られるのがとても良い。
イチオシは圧倒的な存在感と気持ちが痛いほど伝わってくる演技、そして高音まで美しい歌声が素敵なコンデュルメル夫人を演じる鳳月さん。誰もが納得する希代の色男カサノヴァを演じる明日海さん、エネルギッシュな演技と透明感のある綺麗な歌声が素敵なベアトリーチェを演じる仙名さんもとても素敵。

観劇日


2019/4/28 (ライブ中継)

記念すべき初の花組は平成最後の公演!

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コンデュルメル夫人がイチオシ―” の
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夢現無双 / クルンテープ (月組) 感想
―武蔵と小次郎の対比が美しい―

概要


原作は吉川英治の小説。脚本・演出は齋藤吉正先生。
夢現無双は天下無双としてその名を轟かせた宮本武蔵の半生を描いた物語。宮本武蔵と彼を慕うお通、宮本武蔵と長馴染みの青年である又八、天下無双として知られる佐々木小次郎を中心に描かれた物語。
クルンテープはタイをテーマに演じられたエキゾチックなショー。

感想のまとめ


  • 夢現無双
    武蔵の成長や各登場人物の生き様と成長を見ていく作品。人を選ぶ脚本ではあると思う。雄々しくも荒々しい武蔵が成長していく様や、優雅で華麗な小次郎、武芸から遠ざかる又八の生き方の対比がとても素敵。殺陣のシーンは格好良いし、武蔵と小次郎で違った個性があるのが見どころ。人との出会いで成長して印象すら変化していく武蔵を演じる珠城さん、優雅で華麗な小次郎を演じる美弥さん、気品と艶やかさと掴みどころのなさでまさに太夫という海乃さんが一押し。

  • クルンテープ
    キラキラしてエキゾチックな熱量溢れるショー。まさに宝塚の男役と思わせる歌・踊り・燕尾姿の全てが美しい美弥さん、珠城さんと美弥さんの美しいダンスシーン、緑と白の衣装で歌う女性 (輝月さん?) の低音から高音まで歌い上げる素敵な歌、ダイナミックと美しさを兼ね備えたデュエダンが特に見どころ。

観劇日


2019/4/6 (宝塚大劇場)
記念すべき月組初観劇。カンパニーのブルーレイで気になっていた美弥るりかさんの退団公演。最初で最後の美弥るりかさんを見るチャンスと思い観劇。

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ファントム (雪組) 感想
―圧倒的な歌と演技に涙が止まらない公演―

概要


原作はガストン・ルルーのオペラ座の怪人。本作の脚本はアーサー・コピット。潤色・演出は中村一徳先生。
オペラ座に憧れる少女、クリスティーヌが歌いながら楽譜を売っているところに、オペラ座のパトロンであるシャンドン伯爵が通りかかる。その歌声を高く評価したシャンドンはオペラ座でレッスンを受けさせるべく、支配人キャリエールへ宛てた紹介状をクリスティーヌへ渡す。
オペラ座にやってきたクリスティーヌだがキャリエールは既に解任されていて、新しい支配人ショレの妻であるカルロッタの衣装係にされてしまう。
仕事の合間に歌うクリスティーヌの歌声を聞いたファントムは彼女の歌声に感動し、彼女がオペラ座で歌えるようレッスンを施す。そして団員たちが集うビストロでクリスティーヌがその才能を開花させた時、物語は大きな変化を迎える。

感想のまとめ


圧倒的な歌と演技が調和して、涙の止まらなくなる公演だった。
歌による表現を極めたかのような、エリックを演じる望海さんとクリスティーヌを演じる真彩さん、歌も凄いが眼差しや演技でも泣かせてくる彩風さん、少女漫画から抜け出したかなようなキラキラしたオーラのシャンドンを演じる彩凪さん、どうしようもない小者だけど憎めないショレを演じる朝美さん、オペラ座を支配するような演技でカルロッタを演じる舞咲さんが凄く良い。
一押しは彩風さんのキャリエールで、特にビストロでの表情、第二幕では登場シーン全てが凄く良い。

観劇日


2018/11/18, 2018/12/11 (宝塚大劇場)
2019/1/3 (東京宝塚劇場),
2019/2/10 (ライブビューイング) 
初の東京宝塚劇場、千秋楽 (ライブビューイング) は雪組公演。

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