概要
ゆずソフトの4作品目となる作品。不幸体質な学生である千歳春樹と彼のもとに現れた卯花之佐久夜姫とを中心に描かれた学園系ノベルゲーム。アニメーションを盛り込んだOPが有名な作品でもある。

感想のまとめ
優秀なUI周りとOPのアニメーションが売りの作品。キャラが可愛く、共通ルートの学園生活が面白い作品。シナリオはかなり微妙で、肝心の不幸と神様の設定を活かせていない。特に不幸のワンパターンぶりとパロネタは読むのが辛くなるレベル。
以下ネタバレ注意
感想
【全般】
- UI周りが優秀
2009年の作品とは思えないほどUIが優秀。使いやすくてバックログ等もたどりやすく、セーブ数も十分。早送りやスキップ機能も使いやすく、システム面が素晴らしい作品。 - OPのアニメーションは映像作品並み
OPの随所で入るアニメーションがとても綺麗。ポーズは謎の体制だが感動する出来栄えのOPは必見。 - キャラの可愛さ重視
シナリオよりもキャラクター重視の作品。ヒロインを可愛く見せることに重点を置いているのか立ち絵のバリエーションも豊富で、共通ルートでの学園生活シーンが面白い作品だった。 - シナリオはかなり微妙
共通ルートの平凡な学園生活シーンは面白いが、天罰や神様が絡むとシナリオが途端にダメになる。思わず二年近く積んでしまった原因。天罰はチンピラ絡みのワンパターンで、個別ルートもぽっと出の設定が空回りしている印象。特にパロネタとチンピラ絡みは読むのが苦痛なレベル。恋への流れもやれ消えてしまうだの暴走してしまうなど理由をつけて急かしてくるワンパターンぶりで、ここも残念。 - まひろルートは唯一の当たり
シナリオは軒並み微妙だが、まひろルートは唯一の当たり。天罰も神様もほとんど絡まないシナリオなので、ヒロインを可愛く見せるシナリオの強みが全面に出ている。悪い言い方をすれば、テーマが不要な作品なのかもしれない。
【個別】
- 姫ルート
グランドルート的な位置づけ。可もなく不可もないシナリオで、文化祭を通じて願いを叶えるために努力する春樹たちに感化される流れは綺麗。ただし神の力を使わなくなっていく関係で、他のヒロインルートでも良かったのでは?と思ってしまうシナリオだった。 - 葵ルート
キャラはまひろと双璧をなす可愛さ。元気な幼なじみとしての一面と乙女な一面とのバラスが絶妙で、ヤキモキしているシーンがとても可愛い。とってつけたような分裂設定に頼る必要があったのかは疑問。肝心の分裂設定もあまり活きてこないので残念。 - 佐奈ルート
恵まれたキャラ設定から一番微妙なシナリオ。妹であり御霊人という設定を活かせていないので、とっちらかっている印象。恋になるまでも時限爆弾式に急かしていくワンパターンで、最後まで力技なのも残念。 - ルリルート
ご先祖様のカズを中心にしたストーリー。ルリの比重が少ないので、共通ルート的な楽しみ方ができるルート。 - 紫ルート
志を持って教師になったのにそれで良いのか?という一言に集約されるルート。 - まひろルート
予想外だが一番シナリオが良かった。邪魔な設定がなくて単純な学園物になるので、シナリオの短所が目立たずにまひろの可愛さが引き立っている。軽いストーリーに少しだけ重めなヒロインの悩みを盛り込んだ王道ストーリーで、まひろが受け入れられるまでをコンパクトかつ綺麗にまとめられていて良かった。