VERDAD!!―礼さんの変幻自在な歌唱力―

概要


VERDAD!! は藤井大介先生による作・演出のコンサート公演。第一幕は星組による宝塚公演作品を中心に、第二幕はJ-popや宝塚以外でのミュージカル作品などを盛り込んだ構成になっている。

感想のまとめ


トップスターの公演を芝居ではなくコンサートに割り当てる、それだけの価値があるコンサート。古典的で力強い男役の曲や抜け感あるJ-pop、高音が綺麗に響く女性キーと礼さんの変幻自在な歌唱力が活かされたコンサートだった。抜け感ある歌い方 “も” 得意としている礼さんだからこそ、J-popがとても自然で素晴らしかった。
小芝居が蛇足なのと宝塚の楽曲は公演で見たくなるのが玉に瑕。

以下ネタバレ注意

感想


  • コンサート形式でしか見られないバラエティ豊かな楽曲
    トップスターの貴重な公演期間を芝居ではなくコンサートに割り当てる、そんなデメリットを打ち消せるだけの素晴らしさが光る第二幕だった。ディズニーや流行りのJ-popなど、宝塚の公演ではあまり聞くことのできない楽曲を楽しむことができる貴重な機会だった。

  • ファンのニーズに応えたであろうコンサート
    礼さんが歌う色々な歌を聞きたい、そんな要望に応えたコンサートだった。礼さんがほとんどのシーンで歌って踊るハードな構成だが、そのおかげで本当に幅広い楽曲を楽しむことが出来た。

  • 礼さんの変幻自在な歌唱力を活かしたコンサート
    古典的で力強い男役の曲や抜け感あるJ-pop、高音が綺麗に響く女性キーと礼さんの変幻自在な歌唱力が活かされたコンサートだった。特にギラギラや夜に駆けるは男役らしさと原曲の雰囲気への寄せ方が絶妙。抜け感ある歌い方 “も” 得意としている礼さんだからこそ、J-popがとても自然で素晴らしかった。普段耳にする歌を、ダンスを交えながらもあれだけの完成度で歌う礼さんの凄まじさを改めて体感した。

  • 素晴らしいからこそ公演で見たくなる第一幕
    第一幕は過去の公演を振り返るため、親しみのあるメロディーの曲が多い構成だった。歌もダンスも勿論素晴らしかったが、それ故に公演で見てみたくなるジレンマがあった。特にノバ・ボサ・ノバのシーンはどんな公演なんだろうと気になるほど素晴らしかった。

  • 天寿さんが大活躍
    礼さんも凄まじかったが、天寿さんの活躍ぶりも凄まじかった。歌唱シーンも多く、ダンスシーンでもギラついた感じがとても格好良かった。小芝居もノリノリで、間違いなくこの公演のキーパーソンだろう。

  • 舞空さんと瀬央さんは割りを食った印象
    礼さんがフル稼働する関係で、相手役の舞空さんと瀬央さんは少し割りを食った印象。瀬央さんは要所でその歌唱力を発揮して見せ場を作っていたが、舞空さんはかなり出番が少なめ。舞空さんはダンサーなので仕方のないところもあるかもしれないが、デュエットが少ないのは可愛そうだった。

  • 小芝居にはがっかり
    ケチを付けるとすれば第二幕での小芝居。礼さんに出来なさすぎる新人という役を充てがうセンスも寒ければ、貴重な歌唱シーンを役作りで浪費してしまうのも勿体ない。天寿さんの小芝居が細かな動作まで素晴らしかったがゆえに、本当に蛇足で勿体なかった。