El Japón (エル ハポン) 感想
―兎にも角にも格好良い―

概要


【El Japón】
大野拓史先生による作・演出。スペイン南部にるハポン (日本) 姓を名乗る人々、彼らのルーツである慶長遣欧使節団をテーマにした作品。日本とスペイン、2つの要素が混在して爽やかな仕上がりになっている娯楽作品。

【アクアヴィーテ】
藤井大介先生による、命の水、ウィスキーをテーマにしたレビュー。

感想のまとめ


【El Japón】
真風さん格好良い!に集約される作品。ストレスフリーで少年漫画的なので、細かなことを考えずに格好良さを堪能できる。兎にも角にも格好良く、ゆったりと余裕のある歌と立ち振舞いがとても素敵な治道を演じる真風さん、歌・演技・ダンスとすべてが素敵で目を引く星風さん、歌と演技がとても素敵な道化を演じる留依さんが特に印象的。

【アクアヴィーテ】
クールでスタイリッシュな格好良さが素敵なショー。ダンスシーンがとても美しくて素敵。どんなセリフでも格好良く見せる真風さん、芹香さん、桜木さんがとても印象的。

観劇日


2019/12/08 (宝塚大劇場)
初の宙組観劇&全組観劇達成日

以下ネタバレ注意

感想 (El Japón)


全般

  • 少年漫画を思わせる脚本
    一昔前の少年漫画を思わせるような、お約束的な展開で物語が進んでいく。繊細というよりは力技が目立つ脚本で、最後は無理矢理に大団円へ持っていった印象。概要の”娯楽”作品という言葉に偽りなしだった。細かいことを考えずに、楽しむことに専念できるストレスフリーさが良かった。

  • 和と洋のバランスが素敵
    和物という印象はあまりせず、衣装や振る舞いもどこか漫画的で豪華。これが絶妙で、格好良さに拍車をかけている。カタリナの衣装がとても綺麗だったのが印象的。

  • 兎に角格好良い
    公演を振り返ったときに、”真風さん格好良い!”に集約される位格好良かった。見た目・声・歌・演技のすべてが完璧な格好良さで、軽くて楽しみやすい脚本と相まって強烈な印象。正統派を極めたような格好良さの治道、髭がとても似合う大人な男のアレハンドロ、若さと拗らせ方が光るエリアスと毛色の違う三人がとても素敵。

  • 道化たちのシーンがとても良いアクセント
    箸休めでありストーリーテラーの役目のあるこのシーンがとても良かった。道化という癖のある役だけど、歌も演技もとても素敵だった。最後に使節団と遣り取りをするシーンでの演技も、しんみりする感じで良かった。

個別

  • 治道 (真風さん)
    兎にも角にも格好良い!ポスターで見たときから格好良いなぁと思っていたけれど、実物は更に格好良かった。ビジュアル・声質・歌い方・立ち振舞いとすべてが格好良かった。ゆったりと丁寧に歌い上げる歌い方もとても素敵で、安心感を与えてくれる感じでとても良かった。振る舞いもゆったりした感じで、それが治道の凄さを醸し出していて良かった。”指を離して”のシーンや藤乃との回想シーンに治道の人柄が出ていて、とても素敵だった。

  • アレハンドロ (芹香さん)
    髭が似合う伊達男。展開を見守りつつ、出過ぎない程度に手助けする。そんな大人らしさがとても格好良かった。クールなだけではなく、笑いをとれる陽気さ、どことなく漂う気品も最後には納得で良かった。

  • カタリナ (星風さん)
    登場シーンからとても綺麗で、ドン・フェルディナンドが執着するのも納得の美しさだった。守られるだけでない強さも持った演技、歌声が素敵で、ダンスシーンは派手ではないけど目を引く感じ。どこをとっても凄かった。

  • ドン・フェルディナンド (英真さん)
    ステレオタイプの悪役が絶妙。下衆で同情の余地がなく、それでいて小物。そんな演技がとても素敵だった。王宮に来たときに浮いていて、貴族とは違う人種なんだなぁ、と思わせる振る舞いも印象的。

  • エリアス (桜木さん)
    拗らせた演技がとても素敵だった。登場時の相手の肩で剣の血を拭くやばい男から始まって、治道との勝負で恐れを見せた心の弱さ、フィナーレでちゃっかり他のメンバーと仲良く見せたり変化の激しい役柄。段階ごとに表情が変わっていくのがとても印象的。

  • 藤乃 (遥羽さん)
    出番は回想シーンのみで多くないけれど、出番のシーンは印象的。とても儚げで、薄幸の美人という演技がとても素敵。セリフはほとんど”治道様……”だけど、その言葉に藤乃の治道への好意や信頼のすべてが詰まっている感じが良かった。

  • 道化 (留依さん)
    パパ・アイ・ラブ・ユー (Link) でのマイMVPで、宙組を見るときを楽しみにしていた留依さん、やっぱり今回も素敵だった!上手いけど道化らしい歌が絶妙で、道化らしい演技も素敵。最後に使節団とやり取りするシーンがまた良くて、少ししんみりする演技がとても良かった。

感想 (アクアヴィーテ)


  • スタイリッシュで格好良い
    ウィスキーがテーマなだけあって、大人な印象。豪華絢爛というよりは地味な感じだけれど、それがクールでスタイリッシュな感じを強調していてとても素敵だった。

  • “ウイスキーがお好きでしょ” のシーンが凄い
    “ウイスキーがお好きでしょ” を歌うシーンでの客席降りで披露するセリフが凄かった。思わず客席に笑いが溢れるようなセリフでも、ちゃんと格好良く見せる真風さん、芹香さん、桜木さんが凄かった。そしてあのセリフ (アドリブ……ではないと思う) を言わせようと思った藤井先生も、違った意味ですごかった。

  • ダンスシーンが印象的
    ダンスシーンがとても素敵で、特に真風さんが翻弄されていくダンスシーンがとても綺麗だった。El Japónが豪快だった分、ショーがとても繊細で美しかった。