めぐり会いは再び 2nd 感想 ―巧みな当て書きが光る作品―

概要


めぐり会いは再び 2nd ~Star bride~は小柳奈穂子先生による脚本・演出作品。ランスの劇作家マリヴォーの「愛と偶然との戯れ」をモチーフにした作品「めぐり会いは再び My only shinin’ star 」の続編。前作で婚約した貴族の子息ドラントと、貴族の令嬢シルヴィア。二人の結婚式前夜のゴタゴタを描いた喜劇作品。

感想のまとめ


コンパクトにまとまった作品で、前作よりも喜劇要素が減りロマンス作品に近づいている。対談した人たちの扱いも含めて、当て書きの扱いが巧みで心憎い。歌唱シーンは殆どないので、ストリートプレイを観るつもりでいたほうが楽しめる作品だろう。

以下ネタバレ注意

感想


  • コンパクトにまとまった作品
    上映時間が40分程度なので、かなりコンパクトにまとめられている。前作と比べて過剰なリアクションが減ったこともあり、テンポの良い印象。コンパクトになった分喜劇要素は抑えめで、ロマンス作品に近づいた気がする。

  • 当て書きの活かし方が巧み
    当て書き作品の続編ということもあり、一部の役を演じた人はすでに退団などで不在となっている。そこを不在という設定にして、手紙という形で登場させるのが心憎い。触れないことも寂しいし、別の人が演じることもどうかという要素を見事に昇華させている。ユリウスが手紙を読む際に、元役に少し寄せているのも素敵。

  • 演技のバランスが改善
    前作は紅さんの劇薬ぶりが印象的だったが、本作は全体を通じてバランスが良かった印象。紅さんが抑えめで、他のメンバーと調和していたからかもしれない。

  • 脚本は40分の制約が厳しい
    上演時間が短いので、ストーリーは良くも悪くも薄め。風呂敷を広げずコンパクトにまとめたのは素晴らしい判断だが、この時間だとトップコンビを描くのが限界だろう。前作のような物語が一気に帰着する爽快感は得られなかった。

  • 前作以上に歌の印象が弱い
    楽曲は確か2曲ぐらい。ストリートプレイを見るつもりでいたほうが良いだろう。