激情 (宙組) ―ドン・ホセの抜群の歌唱力と一癖あるカルメン像―

概要


激情は「カルメン」を原作とした作品で、柴田侑宏先生による作、謝珠栄先生による演出の作品。メリメによる小説とビゼーによるオペラ版がミックスされている作品。
衛兵の伍長であるドン・ホセが、ジプシーの女であるカルメンの虜となり、犯罪に手を染めた末に破滅していく物語。

感想のまとめ


高音から低音まで抜群の歌唱力を誇る姿月さんの歌唱力が素晴らしい作品。花總さんの一癖あるカルメン像は独特で魔性の女タイプ。情熱的に始まった恋がすれ違いに繋がり、最後は破滅に至る悲劇性がとても素敵だった。真っ直ぐすぎるドン・ホセがカルメンに惹かれて転落していく際に、頭では解っていても止められない苦悩がとても良かった。

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忠臣蔵 感想
―宝塚が誇る日本物の極致―

概要


忠臣蔵は柴田侑宏先生の脚本による作品。赤穂浪士の討ち入りをテーマにした作品で、当時の雪組トップスターである杜けあきさんの退団作品であり、旧東京宝塚劇場の最終公演。この公演以降一度も再演されていない作品でもある。

感想のまとめ


まるで時代劇を観ているような重厚感と宝塚らしい華やかさが調和した作品。時代背景を丁寧にまとめつつロマンスまで盛り込んだ脚本、見惚れるような美しい所作や台詞回し、伸びやかで力強い圧倒的な歌唱力とどこを見ても完璧。演技力も凄まじく、どのシーンも夢中になるほどに素晴らしい。
内蔵助を演じた杜さんの時代劇を飛び出したようなお侍様ぶり、浅野内匠頭を演じた一路さんの気品ある姿と鬼気迫る姿のギャップ、お蘭を演じた紫さんの表情の移り変わり、吉良を演じた星原さんの憎々しさが光る演技が特に印象的。

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ヴェネチアの紋章/ル・ポァゾン Again 感想
―初めてにもお勧めの華やかで美しい作品―

概要


ヴェネチアの紋章は塩野七生による「イタリア・ルネサンス1 ヴェネツィア」を原作とした作品で、柴田侑宏先生による脚本・演出の作品。今回は再演として、謝珠栄先生による演出が加えられた。16世紀のイタリア・ヴェネチアを舞台に、元首の妾の息子であるアルヴィーゼを主人公とした作品。妾の子であることが原因でヴェネチアでは得られなかった貴族の地位と統治者としての未来を得るために、そして愛するリヴィアを妃に迎えるにふさわしい地位を得るために、ハングリアへの進軍を指揮していく。
ル・ポァゾン 愛の媚薬 Againは岡田敬二先生によるレビュー作品。月組で初演され、星組、花組で再演されたレビュー公演の2021年度版。

感想のまとめ


ヴェネチアの紋章は宝塚のイメージにピッタリと合った華やかさと美しい台詞回しを誇る作品で、初めての人にもお勧め。アルヴィーゼの生き方にロマンを、アルヴィーゼとリヴィアとの恋愛にロマンスを強く感じる作品。彩風さん・朝月さんの演技・歌・ダンスでクラシカルな作品を美しく見せる演技力がとても素敵。
ル・ポァゾンは上品な大人の色気が漂うレヴュー。一度聞いたら忘れられないテーマ曲が特長で、こちらも初めての人にもお勧め。彩風さん・朝月さんの歌、ダンスともに相性抜群で、一つ一つの要素が美しいダンスシーンが特におすすめ。
持ち前の華やかさと抜群の安定感で作品を引っ張っていく彩風さん、巧みな表現力が素敵な朝月さん、ストーリーテラーとして物語を回していく綾さん、歌にダンスに芝居に八面六臂の大活躍の諏訪さんが特にお気に入り。

 

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炎のボレロ/Music Revolution! New Spirit 感想
―王道は良いもの―

概要


「炎のボレロ」は柴田侑宏先生作で中村暁先生演出の作品。メキシコを舞台に、フランス支配下の政府に全てを奪われた貴族の青年アルベルトが、祖国の独立を取り戻すために奮闘する物語。
「Music Revolution! -New Spirit-」は中村一徳先生作・演出で、2019年度公演の同ショー演目をリニューアルした内容。

感想のまとめ


「炎のボレロ」は古き良き王道を行く作風でキャラとキャストを楽しむことのできる作品。伸びやかで綺麗なダンスシーンと久城さんの悪役ぶりが印象的。
「Music Revolution! -New Spirit-」は見応え抜群なダンスと成長著しい歌唱を楽しめる作品。歌って踊ってのフル回転で抜群の安定感を見せた彩風さん・朝美さん、歌が飛躍的に上手くなった懸さん、出だしから聞き惚れる久城さんが特に印象的。

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アルジェの男 / ESTRELLAS 感想
―礼さんの歌とアンドレがイチオシ―

概要


作・柴田侑宏先生、演出・大野拓史先生の作品。舞台はフランスの植民地であったアルジェリアとパリ。パリで成功する夢を抱きながらも悪事で生計を立てている青年ジュリアンは、アルジェリア総督のボランジュの財布を盗もうとして失敗してしまう。しかしジュリアンはボランジュに見込まれ、彼の下で働くことになる。アルジェリアの貧困層からパリの社交界へ所在を変え、自分の夢を叶えるべく進んでいくジュリアンを中心とした物語。

感想のまとめ


【アルジェの男】

細やかな演技と礼さんの圧倒的な歌声が素敵な公演。低音な美声で響き渡る歌が素敵で、変化に富んだジュリアンを自然にそして格好良く演じた礼さん、本当に憎らしいジャックを演じた愛月さん、仕草で雄弁に語るアンドレを演じた極美さんが特に好き。一押しはアンドレが最後に登場するシーン、ジャックが最後に登場するシーン、そしてラストシーンでのジュリアン。極美さんのわずかな仕草から感情を観客に伝える演技、愛月さんのあまりにも自然すぎる凄まじい演技、礼さんの最後に一番魅力的になるジュリアンがとても印象的。

【ESTRELLAS】

星組のキレの良い激しいダンスと、礼さんのとてもクリアに響き渡る歌声が素敵。礼さんのファンサービスもとても印象的。客席降りだけではなく、舞台上でも二階席までよく視線をくれるし、二階席を見て手を振ってくれる。そんな礼さんにグッとくる素敵なショー。

観劇日


2019/5/9 (広島文化学園HBGホール)
人生初の全国ツアーでご当地ネタも初体験!
入場時の大行列も宝塚関連では初体験。

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