炎のボレロ/Music Revolution! New Spirit 感想
―王道は良いもの―

概要


「炎のボレロ」は柴田侑宏先生作で中村暁先生演出の作品。メキシコを舞台に、フランス支配下の政府に全てを奪われた貴族の青年アルベルトが、祖国の独立を取り戻すために奮闘する物語。
「Music Revolution! -New Spirit-」は中村一徳先生作・演出で、2019年度公演の同ショー演目をリニューアルした内容。

感想のまとめ


「炎のボレロ」は古き良き王道を行く作風でキャラとキャストを楽しむことのできる作品。伸びやかで綺麗なダンスシーンと久城さんの悪役ぶりが印象的。
「Music Revolution! -New Spirit-」は見応え抜群なダンスと成長著しい歌唱を楽しめる作品。歌って踊ってのフル回転で抜群の安定感を見せた彩風さん・朝美さん、歌が飛躍的に上手くなった懸さん、出だしから聞き惚れる久城さんが特に印象的。

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エリザベート (96年雪組) 感想
―歌・演技・脚本の全てが凄い傑作―

概要


オーストリアで上演されていたミュージカルで、潤色・演出は小池修一郎先生。オーストリア・ハプスブルグ家の皇后になるエリザベートと、死の象徴でもある黄泉の帝王トートが織りなす愛と死を描いた作品。

感想のまとめ


脚本・演出・演技・歌のすべてが凄まじい作品。歌はこれまで見た中で一番凄いかもしれない。トートの一路さんを始めとしてどの人も凄まじく歌が上手で、「闇が広がる」が一番のお気に入り。
冷たく無機質で、人の傍らにあり続ける死を象徴するトートがとても素敵で、まさに死そのものというトート像があってこその作品だと思う。
どの人も凄まじいけれど、冷たく無機質な死を象徴するトートを演じた一路さん、オーストリア皇帝として年月を重ねていくフランツを演じた高嶺さん、鏡の間で凄まじい美しさを見せるエリザベートを演じた花總さん、ひと目見てヤバいと感じるルキーニを演じた轟さんが特に印象的。

視聴日


2019/9/23 (Blu-ray)

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パルムの僧院 感想
―テンポ良く明快な帰着で爽やかに―

概要


原作はスタンダールの小説。イタリア北部のパルマを舞台とした物語。主人公のファブリス、彼の叔母でありその美貌で宮中に影響力を持つジーナ、ファブリスと恋に落ちるクレリアを中心とした物語。二人のヒロインによる、ダブルヒロイン体制で展開される。

感想のまとめ


恋愛・政治が並行してスピーディーに展開され、テンポの良さが心地よい作品。物語の帰着点も明快で、視聴後は爽やかな気分になる。
ジーナとクレリアのダブルヒロインはタイプの異なる二人が相乗効果で魅力を増している。
純粋無垢なファブリスを演じた彩風さん、圧倒的な存在感でジーナを演じた大湖さんを始め、どのキャストも表情や仕草、役作りがとても良い。
楽曲も印象に残りやすく、特に久城さんの歌うAVE MARIAが素敵。

視聴日


2020/05/01 Blu-ray
原作は未読。

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ONCE UPON A TIME IN AMERICA (雪組) 感想
―コンパクトな群像劇―

概要


ハリウッドのギャング映画を、小池修一郎先生が脚本・演出でミュージカル化した作品。ローワー・イーストサイド (ニューヨーク) 出身のユダヤ系移民のヌードルスたちの人生を描いた作品で、ギャングとして生きていくヌードルスを主人公に、少年期から壮年期まで描いた作品。

感想のまとめ


コンパクトにまとめられた群像劇という印象。振る舞いや表情、歌い方が年月の経過に合わせて変わっていくので、圧巻の歌と年月の経過による変化を楽しめる作品。コンパクトすぎて少し薄味に感じるかもしれない。
年月とともに変わっていきながらも常に最高のハーモニーで歌う望海さんと真彩さん、年月とともに目の雰囲気がどんどん変わっていく彩風さん、力強くも落ち着いた歌が素敵だった彩凪さん、最高のエトワールだった舞咲さんが特に印象的。

観劇日


2020/01/11 (宝塚大劇場) 
あえて映画は視聴せずに観劇

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ハリウッド・ゴシップ感想
―ほろ苦さと心地良い余韻を楽しめる公演―

概要


作・演出は田渕大輔先生。映画スターを目指すエキストラの青年コンラッドが、往年の大女優アマンダに見いだされてスターへの道を歩み始めていくというストーリー。そこにかつて自分を見捨てたスター俳優ジェリーに対するアマンダの復讐、新人発掘オーディションでヒロインに抜擢されたエステラの存在、ゴシップに飢えたマスコミとそれを提供するハリウッドという構図といった、様々な要素が絡み合っていく作品。

感想のまとめ


B級作品全開のポスターとは裏腹に、ほろ苦さと心地良い余韻を楽しめる素敵な公演。場面の間に何があったかを演出と演技で想像させるような作風が特徴で、観終わった後に振り返ると良い作品だったと思えるような絶妙なバランス。台詞で多くを語らずに細やかな演出や仕草の変化で語る作品なので、見返すたびに楽しめるところも良い。ダンスシーンも豊富で、伸びやかなダンスからキレの良いダンスまでタイプの異なるダンスを堪能できる作品。
本当の自分とスターとしての理想の自分、そして変わっていくスターとしての自分を繊細に演じ分けた彩風さん (コンラッド)、スターとして凄まじい輝きで現れてそこから変化していく演技が凄まじい彩凪さん (ジェリー)、佇まいだけで大女優だと判る梨花ますみさん (アマンダ)、完璧なオジサマ感で魔法使いと呼ばれるのも納得の名プロデューサーぶりを見せつける夏美さん (ハワード) が特に印象的。

観劇日


2019/10/26, 10/27 (梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ)

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