エンジェリックライ/Jubilee―綺麗にまとまったお披露目―

概要

エンジェリックライは谷貴矢先生による作・演出の作品。ソロモンの指輪を巡って、能力と嘘を封じられた天使アザゼル、トレジャーハンターのエレナ、大富豪のフェデリコ、悪魔のフラウロスが織りなす物語。
Jubileeは稲葉太地先生による作・演出の作品。周年記念などの祝祭を意味する名を冠する、新トップコンビお披露目のショー作品。

感想のまとめ

エンジェリックライは奇抜な設定を綺麗にまとめた作品。
天使という設定の扱い方は人を選ぶかもしれない。
永久輝さんは盤石の実力ぶりで、変化球だが無邪気な役柄のフレッシュさが素敵だった。星空さんは歌や滑舌が素晴らしかった。凪七さんや綺城さんは当て書きに対して見事な演じぶりで、聖乃さんの色気漂う悪役ぶりも素晴らしかった。
Jubileeは正統派で華やかなショーで、クラシック曲の上品さが特別感を演出していた。男役群舞のシーンが特に素晴らしく、まさに永久輝さんのトップで観たかったショー作品。

以下ネタバレ

感想

【エンジェリックライ】

  • 奇抜な設定を綺麗にまとめたストーリー
    前情報の奇抜な設定に対して、とても綺麗にまとまった脚本が光る。
    天帝の思惑通りということもあり、設定の使い方に無駄がなかった。
    わかりやすくコンパクトにまとめられた作品だろう。

  • 天使の扱いが人を選びそうな作品
    綺麗にまとまったハッピーエンドの作品だが、天使回りは人を選びそう。
    俗で人間味のある天使なので、神聖なものと見る人はNGかもしれない。

  • 変化球な配役もバッチリな永久輝さん
    永久輝さんのトップお披露目公演としては変化球な配役。
    歌もダンスも素晴らしく、天使の役もしっかり合わせていた。
    愛憎劇の似合う印象だが、無邪気な役も似合うのが流石。
    お披露目公演にして盤石だが、役柄でフレッシュ感が増している印象。

  • 歌声の良い星空さん
    星空さんは歌の人という印象。
    きれいに響く歌声で滑舌も良いので、セリフも歌も聞き心地が良い。
    永久輝さんとのデュエットも綺麗で、改めて歌の相性も良かった。

  • 良い当て書きと見事な演じぶり
    綺麗にまとまった脚本に加え、餞別も見事。
    凪七さんのフェデリコは男役の真髄が詰まっている。
    妻を愛し、悪に走り、娘を愛する。男役の集大成にふさわしい役。
    綺城さんはアザゼルの同期で良き友人というまさにの当て書き。
    聖乃さんのフラウロスは色気漂う悪役ぶりが見事に映える悪魔役。

【Jubilee】

  • お披露目らしく正統派で華やかなショー
    ダンスを中心とした華やかなショーで、お披露目にとても良かった。
    クラシック曲メインの構成も、上品で特別感を演出していた。
    場面が長いおかげで、印象に残った人を覚えやすいのも嬉しい。

  • まさに永久輝さんで見たいショー作品
    クラシック曲が似合う永久輝さんにピッタリのショー作品。
    中盤と終盤の男役群舞が甲乙つけ難い素晴らしさ。
    まさしく永久輝さんのトップで見たかった場面だった。

  • 餞別シーンも盛りだくさん
    凪七さんと綺城さんは餞別シーンも盛りだくさん。
    特に凪七さんの見せ場はショーでも要所なので、稲葉先生の愛を感じた。
    餞別シーンは餞別を抜きにしても素敵で、歌もダンスも素敵だった。